「返戻」と「過誤」の違いとは?国保連請求でよくある2つのトラブルと対処法

国保連請求公開日 2026.10.05

この記事の要点

  • 返戻=審査を通らず差し戻された請求。まだ支払われていない。
  • 過誤=支払い済みの請求を取り下げる手続き。市町村に過誤申立書を提出する。
  • どちらも入金に影響するため、受給者証の変更共有や加算の届出確認で予防することが大切。

国保連請求の担当者から「返戻が来ました」「過誤をしないといけません」と報告を受けて、違いがよくわからないまま対応している経営者の方は少なくありません。どちらも「請求のやり直し」ですが、お金の状態と手続きの方法がまったく違います。この記事では、2つの違いと対処法、そして防ぐためのポイントを解説します。

返戻とは:審査を通らず、請求が差し戻されること

返戻(へんれい)とは、国保連の審査で請求内容に誤りや不一致が見つかり、その請求が支払われずに事業所へ差し戻されることです。まだお金は支払われていない状態です。

返戻になった請求は、原因を調べて内容を修正し、翌月以降にあらためて請求します。つまり、その分の入金が少なくとも1か月遅れることになります。

返戻の主な原因

  • 受給者証の内容(受給者証番号、支給決定期間、支給量など)と請求内容が合っていない
  • 市町村に登録されている受給者情報と、請求データの内容が一致していない
  • 上限額管理の結果が、関係する事業所の請求と合っていない
  • 体制の届出をしていない加算を請求している
  • サービスコードや日数などの入力ミス

返戻の理由は、国保連から届く審査結果の帳票で確認できます。ただし、記載されているのはエラーの内容だけで、「どこをどう直せばよいか」までは書かれていません。市町村によっては「請求誤り」としか書かれていないこともあります。受給者証や市町村の登録状況と突き合わせ、場合によっては直接市町村へ確認して、原因を特定する必要があります。

過誤とは:支払い済みの請求を取り下げて、やり直すこと

過誤(かご)とは、一度審査を通って支払いが決まった請求について、後から誤りが見つかった場合に、その請求をいったん取り下げる手続きです。過誤の手続きをしたうえで、正しい内容であらためて請求し直します。

過誤は、原則として市町村に「過誤申立書」を提出して行います。様式や提出の締切は市町村によって異なるため、提出先の市町村のルールを確認する必要があります。

通常過誤と同月過誤

過誤には、大きく分けて2つの方法があります。

  • 通常過誤:取り下げと再請求を別々の月に行う方法です。取り下げた月は、その分の給付費が差し引かれるため、一時的に入金が大きく減ることがあります。
  • 同月過誤:取り下げと再請求を同じ月に行い、差額だけを調整する方法です。入金への影響を抑えられますが、対応の可否や手順は市町村によって異なります。

返戻と過誤の違いを比較

返戻過誤
起こるタイミング国保連の審査の段階審査を通って支払いが決まった後
お金の状態まだ支払われていない支払いが決まっている(支払い済み)
主な手続き原因を修正して再請求過誤申立書を提出して取り下げ、正しい内容で再請求
手続きの相手国保連(再請求)市町村(過誤申立)と国保連(再請求)
経営への影響入金が遅れる取り下げた月の入金が減ることがある

返戻・過誤を防ぐための4つのポイント

  1. 受給者証の変更は、すぐに請求担当へ共有する 支給決定期間の更新や支給量の変更を見落とすことが、返戻の大きな原因です。
  2. 加算を算定する前に、体制の届出を確認する 届出をしていない加算は請求できません。
  3. 上限額管理は、関係事業所と早めに連携する 上限額管理事業所と他の事業所の間で情報がずれると、双方の請求に影響します。
  4. 月初の請求前に、ダブルチェックの仕組みをつくる 入力ミスは、提出前の確認で防げるものがほとんどです。

まとめ

返戻は「まだ支払われていない請求の差し戻し」、過誤は「支払い済みの請求の取り下げ」です。どちらも入金に直接影響するため、原因を正しく特定し、翌月の請求に確実に間に合わせることが大切です。

返戻の原因がわからない、過誤申立の方法がわからない、毎月の請求に手が回らないという場合は、請求業務そのものを専門家に任せることも選択肢のひとつです。

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